MJ

はてなオフ会vol.1

協議するはてなスタッフ

 暑い中、行ってきました。昨晩遅くに突然思いついてid:yukattiさんにお昼の誘いを掛けたのだけれど、朝9時台にチェックしたところお返事がなかったので、元々後ろ向きの気分になっていた私は「送達されるのが遅れることはままあることだからなあ」と、二度寝をしてしまった。起きたら12時過ぎ! これじゃ、ゆっくり準備なんて無理だ。慌ててシャワーを浴びるところから始まって支度を始めたけど、着くのはどう考えてもぎりぎり。電車の中でぷちぷちメイルを打ち始めたのだけれど、そうこうしている間に乗換駅に着いてしまった(携帯電話の文字打ちは辛いっす)ので、直接携帯に電話してお詫びをした。折角、いいお返事をいただいたのに(返信いただいたのが私が夢の中の10時台で、お互い擦れ違いだったのだ)、とても残念。暑い中、倒れそうになりながら会場に向かった。

 あまりにも暑くてとてもじゃないけどアルコールを接種する気分になれず、id:KATIEちゃんにご挨拶したり。それにしても、はてなでしょぼしょぼしか活動していないと本当に知り合いがいなくて困った。あ、yukattiさんには開会の言葉の後、すぐにお会いできました。かれこれ5年以上のネットでの知り合いになるのだけれど、お会いしたことは今までに無かった。yukattiさんはこれといったコミュニティには属していなかったこと(「ように見えた」だけで、他の方との交流もあったのは知っているのだけれど / 私も当時はそうだったけれど)や、私が積極的にオフ会を主催したりもしなかったことが原因のひとつにはなるだろうけれど、けれど、そういう関係があってもいいかもなあ、という気持ちはある。実yukattiさんは想像通りではないけれど期待を裏切らない人で嬉しかったです。

 途中、id:kobagenさんと「あれっ」とお互い意外な顔。花見で会っていたのだけれど、お互いここに参加しているとは思わなかった。「いや、あんまり活動してないけど…」と言ってたけど「僕もです」と彼。

 id:hazumaさんには「情報自由化論を是非本にして下さいっ」と詰めより(嘘です)、趣味の方が楽しいのは分かりますが、待っている人もいるんです!」と余計なことまで言ってしまった。彼は、今回も兄貴のように若者(但し男性)に囲まれ、色々話したり話されたりしていたようだ。id:jkondoid:reikonご夫妻にも少しだけれどお話ができて嬉しかったです。イベントの時やその後など、はてなの機能についてユーザやスタッフと意見を交わし合い、納得できないところは譲らずとことんまで話をし、しかし一旦受け入れられるとなればちゃんと受ける度量がある人なんだなあ、と感心しました。リーダーは理想を持っていることはとても大事だと思いますので、こういったストイックさがはてなに好感を持つところなんだなあ、と思った。そうそう、id:reikonさんはとてもとても明るくて、包み込むような暖かさを持っていますね。多分、ひとりひとりに声を掛けていたんだろうなあ。

 二次会まで居座り、青山ブックセンター閉店の話とか、映画話とか。考えてみたら、今まで年間1本見るか見ないかだった私も、いつの間にか映画館で10本くらい見るようになってたんだなあ。その他にDVDも見るようになったし(その分、本が読めなくなる…)。青山ブックセンターは7月1日に阿部和重青山真治トークイベントに行ったのが最後。その時に買った『団地ともお 2巻』が最後にここで買った本になってしまうのか…。私にとってはブックファースト渋谷店が日常で、青山ブックセンターが非日常的書店でした。「非日常」だから潰れちゃうんじゃん、と言われれば言葉もないのだけれど、もうあの場所が無くなってしまうのかと思うと、大きな欠落がこの後の人生にできてしまったような気がする。

 渋谷までてくてく歩いて帰宅。しかし、歩いただけでも暑いぞ!

 色んな人に会えて、話ができてとても楽しかったです。最初はどうなることかと思ったけど、どうにかなるもんなんですね(笑)。しなもんにも会うことができたので、犬好きな私としては、とても嬉しかったっす。しかし、こうやって犬に触ると飼いたくなるよなあ……。東さんじゃないけど(笑)。

 そうそう、途中で地震があったのだけれど、あんまり気付いている人がいなかったようなのは意外だった(笑)。久しぶりに地震らしい地震を体感しました。会社も家も免震構造だったりすると、ぐらぐら揺れないんですよね。

 イベント自体についてあまり書いてなかったので追記。「何でもランキング」は、色んな人にスポットを当てる機会ができて、よかったのではないでしょうか。はてなダイアリーやアンテナだけがはてなではない(どうしても使っているサービスしか意識しなくなってしまう)のだなあ、と感じた。はてダへの要望は、確かに、と思えるものが多かったです。画像を複数枚アップしたい、のやりとりはとても面白かったです。はてなダイアリークラブの発表は、yukattiさんがクラブ自体の機能まで説明している形になってしまって大変そうだったけれど、臆せず使ってみなければいけないね。こういう「繋がっていることが前提」の機能は嬉しいし、それをうまく使っていきたいというみんなの気持ちはとてもよく分かりました。じゃんけんは、1回、2回は勝ててもその後が続かない。目の前でレッシグたんの『Free Culture(ASIN:4798106801)』が無くなった時には「もう、じゃんけんしなくてもいいかな…」とも思ったけれど、とりあえず絶対買わないであろう「はじめよう! みんなのブログ(ASIN:4844319663)」を貰ってきました。窓辺に飾られていた色紙の輪っか鎖(なんて言うんだろう?)や、正面に貼ってあった「id:みんな」など、手作り感いっぱいで、心を込めておもてなししようという気持ちが感じられました。オフ会は半年に一遍くらいやりたいそうですが、それも大変そうだなあ。無理しない程度に続けていっていただけると嬉しいと思います。迎えて下さったスタッフの皆様、本当にありがとうございました&お疲れ様でした。

キーワードの自動リンク

 「素晴らしい」なんて言葉が自動リンクになっていて非常に不愉快なのでどうにかしたかったのだが、モデレートできるのって「はてなダイアリー市民」だけなんだね。で、この定義もよく分かってなかったのだけれど、必要に迫られて調べてみたら、ある程度の活動(というのは日記を書くこと)をやっていればいいんだ。で、私はその要件を満たしていなかったようだ(笑)。

そして、上半期を過ぎた頃に

ラストホープ (創元推理文庫) ミドルセックス …面白い作品に出会うもので。

 ジェフリー・ユージェニデスミドルセックス』は6月頭から遅々として進まず、ようやっと気合いを入れて先日読み終えました。こりゃ面白いですよー。半陰陽という、ちょっと難しい話だったりもしますが、ヨーロッパからアメリカに移民してきた家族の半世紀として非常に楽しめますし、民族性とアメリカ市民的な葛藤、世代間の格差など、興味深い話が盛りだくさんでした。何よりも、移民一代目であるデステモーテ(イアイア)の、年を取ってからの強烈なキャラクターがいい! 恨みの団扇とか、まるで魔女のような扱いです(笑)。彼女は、国を忘れないことでアイデンティティを保っていたのでしょうね。舞台がデトロイトなので、みんな何かあるとすぐカナダに逃げようとするのも、そういった地域性を感じられていいなあ、と思うし、アメリカの経済が発展して衰退した時代の影響を一番受けている都市ということで、時代の移り変わりを見ることもできます。そして何より、語り部であるカリオペの、ふたつの恋の話も切ないです。分厚いけど、週末を使って、一気に読んでください。一度入り込んだら今度は離れられなくなりますよ、きっと。

 そして、今読んでいるのが浅暮三文の『ラストホープ』。浅暮さんというとどうもカルトっぽい雰囲気というか、玄人好みっぽい印象がありますけど、この作品は非常に楽しめます。偶に「マンボズボン」とか、よく分からないものが出てくるのはご愛敬。視点がめまぐるしく変わるしその主が誰かをあまりはっきりさせないので最初は地味ですが、中盤にさしかかる辺りから、俄然調子が出てきます。あらすじを見た瞬間、ドナルド・E・ウェストレイクのドートマンダーシリーズを思い出しますが、決して二番煎じではありません。浅暮テイスト満載のクライム・コメディ。万人に勧められる浅暮作品(失礼…)ではなかろうかと。やっぱり、婆ちゃんが元気な作品は楽しいですね(違)。釣りの描写が沢山出てくるのも、なかなか楽しめます。それ自体がテーマにも結びついているし。

2004年上半期ベスト

 一応、出してみたけど、今回はちょっと小説が不作だったかも。いや、それぞれは水準、またはそれ以上だったりするのだが、「忘れられない作品」と言うほどのものがそれほどはなく、小説として5つ挙げるに留まった。

…今さら高橋源一郎で済みません。ずっと敬遠してて読んでなかったんで。それと、『お母さんの恋人』は、衝撃度ナンバーワン、かな。なんと言っても、街の設定がいい。勢いのいい濁流が町をふたつに分断していて、しかも、その間に通っている橋は一本、しかしその橋は複雑怪奇に交差していていつも渋滞している。こんな妙な設定で始まる青春物語と恋愛物語。甘くないのがまたいいです。『スペシャリストの帽子』は、女子必読書と思えますし、読書会までやって話し合った結果、男子は情けない男子にこそ萌える、という意見も出て、大いに頷いた次第。


 『ザ・フィフティーズ』を読むと、アメリカって本当に若い国家なんだなあ、と思います。そして、この時代(1950年代)に国家らしい形を作り上げてるのね。政治、テクノロジー、経済、文化、いろいろな面で、そしてお互いが影響を与えながら、発展していっています。戦争にまつわるエピソードもかなりの割合が割かれてるのだけれど(冷戦も込み)、本当にばかばかしいことにエネルギーを費やしていると思うし、これを読んだらイラクの問題だって出てこないと思うんですけどね。ブッシュ、この本を読みたまえ。良くも悪くも日本はこういう国に影響を受けてきたんだということが分かる本だと思います。これが分厚い三部作とは言え、文庫で出ているのは素晴らしい。

 『回転銀河』は、あちこちでちらちら名前を見ていたのだけれど、表紙の色の美しさに参って購入。で、読んでみたら粗方は「One more Kiss」に掲載されていた作品だったのね。あまり作者とか作品の名前を注意してみてないから、全然分からないのですよ、こういうときに。で、恥ずかしいほど初々しい話で、普通の高校生の話のところがいいです。今の高校生はこんなんじゃない、と言われるかも知れないけど、自分たちの頃を思い出す、ということで。っていってもうちは女子高だったけどね。こういうのを読むと共学校が羨ましくなる。

 『文学賞メッタ斬り!』は、おなかを抱えて笑いました。率直に語り合っている(?)のもまた良し。しかし、こういうのを読むと、駄目な作品もチャレンジしたくなって困りますね。これが出たのは、ある種事件だったと思います。

 『女ひとり寿司』は、話題になっているのかいないのか分からないけど、期待しないで読んだらとても良かった一冊。味覚の表現が豊かで、人物観察の面もあって、私の好みにぴたりと合いました。行ってみたい寿司屋もいくつかあるので、そのうちチャレンジする予定。ひとりじゃなくて済まんけど。

 『編集狂時代』は、巷でお馴染みの、筑摩書房の取締役さんね。今はタイム・ブックタウンというデジタル貸本屋を運営している会社の社長でもあります。若い頃に遊びながら、しかし、ちゃんと仕事に生かしてきたという超羨ましい人でもあります。自慢という訳ではないから腹が立つようなことはなく、「ああ、この場に居合わせたい」と真剣に思うのみでした。路上観察会とかね。しかし、こんなに許してくれる会社は他には無いと思う(笑)。

 『嘘つきアーニャ〜』は、少女時代に机を並べ勉強した友達が、今はどうしているか会いに行くという話で、三人、それぞれが思い出と現在の描写とで構成されている。米原さんがロシア語通訳になった経歴を知らなかったけれど、その昔、お父さんが共産党員で、プラハに派遣されていたのね。で、そこのソビエト学校(ソ連が各国に作ったものらしい)で学んだ人たちなので、みんな共産圏で中欧の出身。それだけに、冷戦時代が終わり社会主義国共産主義国が崩壊していく中で、国家に人生を大きく関与されてしまった人たちとも言える。私たちのようにのほほんと暮らしている人間では想像も付かないこともいろいろ。遠い国での出来事が、急に身近に思えてきます。ソビエト学校に各国から集っていたところを見ると、資本主義圏に対する共産主義圏としての「ソ連」という存在の大きさを感じさせられます。

 私は以前から酒井さんのエッセイを読んでいたので、この本を出したときも「ああ、またこんなの出してきたのね」という程度の感想しか持っていなかった。しかし、彼女の名前をキーワードに訪れる人が引きも切らさずの状態で、何だか未だに話題になっててすごいですねえ。ここで書かれていることは彼女がよく使う手法なので何とも思わなかったけれど、人によっては「自分のことを棚に置いて」と怒る人もいるみたいですね。読まずに周辺の噂や議論だけで反応している人も多いし。

 えーとまあ、こんな感じです。

イベント告知

 4月24日(土)に、渋谷界隈でノンジャンルの読み手向けの集まりをこぢんまりと催したいと思います。詳しくは下記URIをご覧下さいませ。

 お問い合せなどもお気軽にどうぞ。

http://bm.que.ne.jp/log/?date=20040405#p03