MJ

「レス・ザン・ゼロ」

 冒頭の、卒業式の校長のスピーチ。字幕が、いきなり「ひと言」が「ひと事」になってたのはご愛敬?

 原作を読んでこれがどう映像化されているのが見たくて借りてきた。これはジュリアン役のロバート・ダウニー・Jr.のためにあるような作品だったなあ。彼は実生活でもジャンキーでこの作品以降も結構大変なことになってたらしいけれど、いや、ホントに哀れ。ただ、原作と違って彼らの堕ちっぷりが自業自得にしか見えなかったのも確か。親の品性無き行動なんかはちらりとほのめかされたりはするんだけど、ジュリアンは勘当されても仕方ないような事しかしてないし。

 実は原作で重要なモチーフ(というかタイトルがそうだし)コステロの曲がどう使われているだろうという興味もあったのだけれど、これは全然扱われてなかった模様。聞き落としたかと思って、エンディングロールなんて画面のすぐそばまで近寄って確認したんだけど。

 最初にブレア役のジャミー・ガーツを見たときは「高校生役だってのにおばはん臭いなあ」と思ったのだけれど、後半、見慣れたのかよく分からないけど段々魅力的になってきた。主人公のアンドリュー・マッカーシーは友人役のはずのロバート・ダウニー・Jrに食われちゃって影が薄かったけど、結構この優男っぷりが好みなのでいいことにしてこう。

 西海岸の高級住宅地。金に飽かせ、贅沢な毎日を送る彼らの中で、東海岸の大学に進学したクレイは全く異質な存在になっている。全く、東海岸がまじめに働いているときに西海岸の奴らはこんなに自堕落な生活をしていたんか、と無知な私なんぞは思ってしまいますが、それって私の見方が間違ってるんですよね(笑)。