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「シックス・センス」ASIN:B00005FPRY

 日本語だったら「第六感」そのものなんだろうな。離婚した母親に引き取られている少年・コール(オスメント)。彼は問題を抱えているようだ。しかも、奇妙な出来事も周囲で次々と起こる。母親の仲介で精神科医(ウィリス〕にその分析を依頼されたらしい。次第に彼に心を許したコールは、心の奥底にしまっておいた「秘密」を告白する。

 幽霊に魅入られ実生活に支障を来している少年を無条件で包み込もうとするのは、以前に同じような問題を解決できず、自分はその患者に襲われてしまうという事件があったからだ。それ以来、あれだけ愛情溢れていた妻の関心がおかれなくなり、精神科医は孤独ですさんだ日々を送るようになる。時には、妻に横恋慕する男に妨害をすることもある。
 そんな間にもコールは自らの運命に立ち向かい、託されているであろう使命を果たそうと決意する。そうすることでしか自分の平穏な生活を手に入れられない、と。そして精神科医が「最後は、大切な人と向かい合って話をしなければ」という言葉に従うのだ。そうやって彼は「再生」していく。

 対する精神科医の家庭崩壊と精神の苦痛は――。
 いやー、こう来るとは思わなかった。いや、少し深読みすればそう取れたのだろうけれど、そういうセンスが無かったのだろうな。エピソードなどがあまり描き込まれてないので消化不足の感はあるが、でもこの手の話のタイプは私の好みなんだろうな。一気に引きつけられた。
 非常に静かで感情が抑制されているドラマだ。とてもハリウッド映画とは思えないくらい。変に甘くなく、愛とか恋にも頼らず、現実もちゃんと見据えて話を進めるところがまたいい。期待していなかっただけのいい拾いもんだったと満足。

原題:The Sixth Sence
制作総指揮:M・ナイト・シャラマン
監督:フランク・マーシャル / キャスリーン・ケネディ / バリー・メンデル
出演:ブルース・ウィリス / ハーレイ・ジョエル・オスメント / トニ・コレット / オリビア・ウィリアムズ / トレバー・モーガン / ドニー・ウォールバーグ / M・ナイト・シャマラン