MJ

古屋兎丸『π』2巻

 がーん、ますます変態チックだ(笑)。今まで孤独にπを研究し続けた夢人くんも、前巻では千聖先輩という同好の士を得て「パイダーマン」なる変身ヒーローに自らなりきったりして生き生きとしている。1巻の冒頭の「孤高の戦士」の面影はあまり無くなっている。その上、学校の美術教師・律子先生まで味方に付けるという願ってもないチャンスを得、順風満帆と思いきや、恐ろしい強敵が出現!!きゃー、この後どうなっちゃうんでしょ。

 夢人くんは、見かけこそはいい男なのに中身は昔のデヴヲタ君のままなので、発想がかなり人とはずれている。千聖の「衣装」も、あれは無いっしょ…。しかも手作りというのが脱力感を醸し出す。このギャップが引き起こすどたばたがこの作品の肝でもあるのだろうけれど、段々ただのオタクにしか見えなくなってきたヨ…。

彼の自己評価の低さもその「ずれ」を醸し出す重要な要素なんだろう。おっぱいばかり出てくるけどお色気とは全然かけ離れたギャグ漫画。現実のおっぱいにまみえた夢人くんがこれからどうπ研究家として成長していくのか、非常に楽しみである(笑)。

 夢人くんの妄想でできている、π保護化計画も爆笑もの。そんな大がかりなことを考えつつ目的は「じゅんちゃんのおっぱいを守る!」なんだから。なんだか可愛らしく見えてきますよ。